接写でもバブルボケ Torioplan 7.5cm F2.9 Eos

接写でもバブルボケが現れ、幻想的に映るレンズです。 バブルボケ写真で人気を博すトリオプラン 100mm F2.8は、Meyer Optik 社が製造したレンズです。100mmのレンズは、焦点距離と最短撮影距離が一寸長いので、ポートレート、花を撮影するのに、最短撮影距離を短くするために製作しました。 戦前のBalda社の蛇腹カメラに搭載されていた、同じHugo Meyer社のトリオプラン 7.5cm F2.9です。近接撮影ができるようにダブルヘリコイド仕様で、ヘリコイドを回すだけで無限大から50cmまで撮影ができます。レンズの前玉を回すと、更に近接撮影ができます。 “3”を意味する接頭語「トリ」という名前から分かるように、トリプレットとは3枚構成のレンズのことを指します。1893年に開発した3枚のガラスを使ったレンズが、トリプレットタイプの始まりです。当時の特許の記述によりますと「高速肖像用レンズ Series I」とありますので、このレンズ構成は、ポートレートレンズと言うことが窺い知れます。 トリプレットタイプは、中心部はシャープに写るのだが、周辺部の歪みが補正できず非点収差も残るため、絞り込んでなるべくレンズ中心部を使うようにするか、画角を狭くすることで、欠点を目立たなくなるように撮影していた様です。±30度の画角、もしくはそれ以下の画角にして、F値を抑えた設計が開発当初からなされているのはそのためです。 このレンズは、中判カメラのイメージサークルの広いレンズの中心部を利用しているので、開放から中心部のシャープさに加え、周辺部は歪みの出ないところを利用しているので、良好な画質が得られます。 時代が変われば価値観も変わり、欠点とされていた非点収差によるバルブボケは、高解像度、高コントラストのレンズが主流の現在に於いては、古いけれど、新しいイメージに映ると思います。 折りたたみ蛇腹カメラから取り出したので、レンズはボディ内に収納されていたので、スレキズ少なく、カビホコリも殆ど無く戦前のレンズとは思えない良い状態のレンズです。レンズベースはM42マウント、M42-EOSマウントでEOSで登録しています。M42マウントなので、M42アダプターで他のカメラにも装着できます。（カメラは付属しません） ご検討の程、よろしくお願いいたします。